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閉経後に起こる病

妊娠可能な若い世代の女性であれば、ほぼ28日前後のサイクルで月経がみられ、その周期の最初の日から数えて2週間後に排卵があり、同時に受精卵のベッドとなる子宮内膜も厚く成長します。このような周期的な営みを支えるのは、体内で分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つの女性ホルモンです。
これら女性ホルモンと同様のはたらきをもつ合成成分を適切な分量だけ配合し、月経の周期にあわせて毎日口から摂取することで避妊効果が得られるように工夫した医薬品が、経口避妊薬と呼ばれているものです。
いっぽう、「閉経」というのは、この月経が停止して、妊娠する能力がなくなることであり、個人によって差はあるものの、一般的には40代から50代くらいの女性に起こるできごとです。
閉経の直前の期間には女性ホルモンが体内で作られる分量がだんだん低下し、閉経を迎えるとまったく作られなくなり、月経も完全に停止します。このような切り替わりの時期には、女性はホルモンバランスを崩しやすく、月経不順になるほか、全身のほてりや発汗、抑うつ症状など、いわゆる「更年期障害」と呼ばれる不快な症状に悩まされます。
閉経後についても、これまでに女性ホルモンが体内で担ってきたはたらきがなくなることから、特有の病気にかかりやすいという傾向がみられます。例えば、膣の内膜が薄くなることにより、膣炎になるリスクが高まるほか、尿路が短くなり、また骨盤底筋群という筋肉の力が衰えることにより、尿路感染症や腹圧性尿失禁なども起こりやすくなります。さらに、骨密度の低下によって、骨粗しょう症にかかってしまうこともあります。
こうした閉経後の病気に対しては、経口避妊薬の投与が有効な場合があります。経口避妊薬の主目的は避妊ではありますが、女性ホルモンを含有するため、体内で産生されなくなった女性ホルモンを外部から補う効果があるためです。